地図の注文の決めごとが昼にそろった十月二十日(火)、私はもう一つ頼みごとをしていました。カレンダーの日々の吉凶を、その日の八つの方位の吉凶の平均で見えるようにしてほしい。同じことを、月と年でも。ただし、二月の初めの立春で年が切り替わることは、知らせるようにしてほしい。今回は、その注文が形になるまでの話です。
電さんが最初に出してきたのは、カレンダーの日付の下に、細い線を三本引く形でした。上から年盤・月盤・日盤の吉凶の平均を、線の色で示すものです。言葉で聞けば、筋の通った案です。
ところが、私の画面には線が出ませんでした。なぜ出なかったのかは、第五回「すれ違い」に書きます。ここで書きたいのは、そのとき私が返した言葉のほうです。線は出ません。線よりも、二十日ならば、二十日の枠の背景の色を変えられるようにしたらどうでしょうか。
線が見えなかったからこそ、線でなくてよいと気づきました。暦を見る人が知りたいのは、その日がよい日かどうかです。日付の枠全体が色づいていれば、月の暦をひと目見ただけで、注意の要る日が分かります。電さんは三本の線をやめ、背景の色に作り直しました。色は、方位盤ですでに使っている色をそのまま使っています。
同じ書き込みに、私はもう一つ足しました。年盤・月盤・日盤のすべてが吉という、特別な日があります。私は特に重要な用件のとき、その方向に向かって動くようにしてきました。その日を、ボタン一つで選び出せないか。
これは、方位学の教科書の論点ではありません。私が長年続けてきた、暮らしの中の使い方です。電さんは「吉の重なる日」のボタンを作りました。月盤と日盤が重なる日、年盤・月盤・日盤の三つが重なる日を選ぶと、その日だけが枠で囲まれ、どの方位が吉なのかも札で出ます。
背景が色づいた暦を眺めているうちに、気になることが出てきました。色の見分けにくい方には、この暦は読めません。そこで、方位盤の星の名の左側に、吉・普・凶・大凶の四段階を文字で添えてほしいと頼みました。いらない人もいるので、出すか出さないかは選べるように。
これも、画面を見て初めて思い至ったことです。色だけで伝える形は、作った人には便利でも、使う人のすべてに届くとは限りません。
方位予定帖では、マウスを日付に置くと、その日の方位盤が浮かんで出ます。最初に出るのは日盤です。私は、ここでクリックするたびに月盤、年盤と切り替わるようにしてほしいと頼みました。続けてクリックするのは、年と月と日の、すべての方位の吉凶を頭に入れるためです。
予定の扱いにも注文を出しました。予定をつかんで別の日へ移せるように。右クリックで、その場で削除するか、完了に分けられるように。その日のうちに、カレンダーの空いている日を押せば、その日の予定をすぐ書き込めるようにも頼みました。どれも、毎日使う人の指先から出てきた注文です。
振り返ると、この日の注文は、どれも画面を見て、触ってから出てきたものでした。三本の線を見なければ、背景の色という答えには行き着きませんでした。色づいた暦を見なければ、色の見分けにくい方のことは思い浮かびませんでした。
電さんは、言われた形を最初から当てることはできません。私も、最初から正しい形を言い当てられたわけではありません。電さんが一度形にし、私が見て、使う者の感覚で直す。その往復を何度か重ねるうちに、道具は手になじんでいきました。人は目の前の素材と格闘しながら形を決めていく、と第一回に書いたのは、このことです。
色が付いた暦を見て、私が何に驚いたのかは、開発日記「凶のない日は、一日もなかった」に書きました。
予定を書き込むと、その日の方位盤が重なる予定帳です。日々の吉凶は背景の色で、吉の重なる日はボタン一つで分かります。予定の記録と今日の日盤は無料です。
▶ 方位予定帖を開く ▶ 改良の記録
牧正人史先生が昭和三十三年に発見された姓名科学の体系を、デジタルの形で遺す仕事を続けています。方位予定帖の暦も、この仕事の中から生まれました。
▶ 姓名科学の殿堂へ ▶ お名前を解析する